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May 18, 2005

「タイポグラフィ年表」の振り返り

「今年度最初の添削結果」の記事で書いたように、既に評価が終わってますが、「情報デザイン演習1-1(第一課題)」では、「タイポグラフィ年表の作成」と、その年表作成にて感じたことをレポートにするということが課題になっています。

ということで作成したのが下記の年表なんですが...

050420


デザイン的にありきたりなものなので、もっと凝ってもよかったのかと反省しきり。
でも、この課題があったので、「タイポグラフィ/タイポフェイスの変遷」に興味が出てきた。
Illustratorの練習にもなったし...

そういえば、タイポグラフィの歴史に関する本は少ないです。
現在、テキスト/副本以外に参考しているのは、
「タイプフェイスとタイポグラフィ〔改訂版〕」(白石和也・工藤 剛・河地知木著/九州大学出版会)
という本。
「欧文書体百花事典」(組版工学研究会編)は値段が高過ぎです。

ちなみに、レポートはというと、こんな内容でした。

--- ここから ---

1.はじめに
昨年度でペアとなっているもう一つの課題がクリアできなかったため、今年度も本課題に取り組むこととなった。
 前回の提出課題「タイポグラフィの年表」をそのまま提出させて頂くことも考えたが、改めて提出物を見返してみると、課題を作成した当時では気付かなかったことや、誤記部分があったので、年表を見直ししてみることとした。

2.「タイポグラフィ」年表の作成にあたって
今回の年表作成では、前回と同様、欧文活字書体の派生を系統図という形で表そうと考えた。しかしながら、生物の進化のように、起原となる一つの種から次の種が生まれ、更にその種を起点として複数に分岐していくというような、整然とした系統図が描けなかった。
 また、今回の年表作成では、「欧文活字書体(タイポフェイス)の展開」という観点で捉えてしまったため、「ヴィクトリア朝のタイポグラフィ」と呼ばれた時期での書体乱造の様子や、あるいは、「アーツ・アンド・クラフツ運動」以降、「前衛芸術運動」、「ニュータイポグラフィ」、そして「モダン・タイポグラフィ」へと近代から現代までに至る「タイポグラフィの連鎖」についての説明が不十分となってしまったように思う。

3.欧文活字書体が生み出されるとき
前回のレポートでは、欧文活字書体の誕生に至る背景が多肢に渡っていることを主なテーマとして記述している。
このなかでは、欧文活字書体が誕生した経緯には、大きく分けて下記のような分類になるのではないかと推察した。

・ ルネサンスの頃に生まれた「ヴェネチアン」のように、手書きの写本を活字印刷に
  置き換えるために、手書きの書体の特徴を活字書体に反映させたもの。
・ 手書き書体、あるいは既存の活字書体をベースとして、「可読性」や「視認性」、
  「誘目性」を加味したもの。
・ ソルボンヌ大学が「ブラック・レター」を排除するためにドイツから印刷者を招いて
  新書体による印刷を行わせたことなど、政治や宗教の流れを反映して生まれたもの。
・ 書籍以外に広告物が印刷対象として扱われていったこと、
  あるいは20世紀初頭の前衛芸術運動を発端として芸術家やデザイナーが活字書体を
  作り出していったことなど、文化や芸術活動を反映して生まれたもの。
・ 活字製造の機械化や、金属活字~写植活字~電子活字への変遷など、印刷技術の
  進歩に対応して生まれたもの。

 欧文活字書体の誕生は、川に石を投げて水切りをしたときに、広がって行く波紋の一つ一つが異なった様相を見せることと似ているように思える。
イタリアで生まれたローマン体が、フランスに伝わった後に辿っていく変遷と、イギリスに渡った後に辿っていく変遷とが異なっているように、「ローマン体」という同じ石が与えた影響であるにも関わらず、「国(民族・宗教・文化という側面も併せて)」という対照によって、その後には異なった過程を進んでいくのである。
第1項でも記述したが、この点が欧文活字書体の進展を系統図であらわすことが難しいと感じた理由のひとつとなった。

 また、生物の進化を系統図で表すと、その進化の過程で消えてしまった種が復活するような事象を見受けることはないが、欧文書体では、過去の書体が復刻することが多々見られた。
勿論、良質な書体は長きに渡って受け継がれていくことになるであろう。しかし、長き時間を経て、他者の手によって再び世に出るということは、単に古い書体を回顧することではなく、その欧文書体への畏敬の念があったのではないだろうか。

4.課題制作を通じて
今回の課題制作を通じて、タイポグラフィの変遷を見つめて行くことで、以前は、印刷技術の初期における手書き文字の再現し、それらの複製することという、言わば「職人的な作業」であったものが、独自のタイポフェイスを作成したり、あるいはレイアウトで作家性を表現したりという、「芸術家的な側面」が強くなってきたように感じた。

 実際、昨年度のスクーリング実習と通じて、当初は「紙面の濃度を均一にする」というタイポグラフィの目的においては、文字と文字との間隔を微調整するという繊細な作業が仏要となるため、どこかしら職人的な感じがしていたが、どの位置が最適なのかという判断は、数字ではなく人間の感覚で決まるという点からも、そこには芸術的なセンスが必要であるということを実感できた。

 私は、伝えたい情報を的確に表現するという観点から言えば、「可読性」や「視認性」、「誘目性」と念頭において、最適と思われる活字書体や素材、印刷方法、製本方法の組合せを選択し、紙面をデザインするという「タイポグラフィ」は、「情報デザイン」の本道ではないかと思っている。
 その「タイポグラフィ」の構成要素でもっとも重要となる活字書体について、その生い立ちや作者の思いを再認識させられた課題であった。

--- ここまで ---

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