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August 01, 2007

今年度最初のレポート課題の評価結果

半年振りに提出した総合科目のレポート課題の評価が、昨日サイバーキャンパスに提示されてました。
とりあえず再提出はないんで、ホッとしてます。
と言うか、この課題は、指定された文献のうちの一冊を選んで要約を作成するというものなんで、余程の「解釈違い」が生じないと再提出にはならないような気もするんですが...
では、いつものように反面教師として、レポートの全文を。
内容無い割りには、文章が結構長いんで、「ゴメンナサイ」、です!
所詮、規定字数を埋めようと画策しているだけですけどね(苦笑)
このレポートに対して、先生がどんな評価を下したかは、後の機会に記事にしたいと思います。
一応そんなこんなで、この後に引き摺ってみたりする訳ですねえ...(笑)

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『形と文化の案内』レポート(第1課題)

「イメージを読む」若桑みどり著

1.はじめに
 美術史は、思想史や科学史や経済史や一般的な社会の歴史と同様に、人間の歴史の重要な一部であり、これを欠いては人類の創造してきた世界の総体を理解することできはしない。つまり、美術は人類の歴史にとって、とても重量な資料である。
 そして、芸術史は、単に過去の芸術品を理解することだけでなく、現在における自分たちの身の回りにあるもののイメージを解釈したり、あるいはイメージを作り出したりすることにも役立つものである。
 ここで、美術史を語るうえで、著者は、本書を単なる入門書として位置づけるのではなく、講義の形をとることで、読者が美術史に対して興味を持ち、自分自身で問題を展開していくことを期待している。そのために、本書では4日間の講義と連動した章構成をとっている。
 1日目は『ミケランジェロのシスティーナ礼拝堂の天井画』、2日目は『レオナルド・ダ・ヴィンチのモナリザ』、3日目は『デューラーのメランコリア㈵』、そして最終日4日目は『ジョルジョーネのテンペスタ』を中心とした内容で文章(講義)が展開される。そして、その講義に先立って、著者が美術史をどのような学問として位置づけているかを説明し、加えて、イメージの解釈方法として、様式論、図像解釈学、図像学の3つの方法論を説明する。

2.第一日の講義
 キリスト教的世界観を元に世界と人類の原初の歴史を描いた『天地創造』は、2000年以上の間、ユダヤ人や、キリスト教徒によって共有されてきた物語と精神的文化の厚みを示すものである。
 このミケランジェロの絵に対する解釈において、著者は以下のように述べる。
「異文化を理解するもっともわかりやすい入り口は美術だということを示しているのです。なぜなら、旧約聖書に書かれている、宇宙創造の最初の瞬間から、人類が長い苦しい試練の歴史をこえて、ついにこの世界の終末をむかえるまでも、この礼拝堂の天井画は描いてしまっているわけですから、この空間にはキリスト教徒の全世界がつまっているともいえるのです。」(51ページより引用)
 しかし、ミケランジェロの絵に対しては、まだ定説は無いということから、この時期の複雑な神学上、また信仰上の事情や、ミケランジェロの個人的な信仰心などを十分に研究して、個々のイメージを丹念に分析する必要があると述べる。そして、第一日は著者の下記の言葉で締めくくる。
「たとえ一見縁のないキリスト教のことが描かれていても、人間にとって根本的な問題をあつかっていることがおわかりになったと思います。」(64ページより引用)

3.第二日の講義
 レオナルド・ダ・ヴィンチの絵は、宗教的な世界と対立する別の世界を示している。
 つまり、レオナルドが『モナリザ』に隠した謎とは、神の無い宇宙観であった。
 「歴史上で見ると、レオナルドはルネサンスのさなかに生まれて、これを究極の完成までもっていき、同時にこれを終わらせた人物ということになります。」(73ページより引用)
 レオナルドは、芸術史の上でクラシックを表現した人物の、わずかな人物の一人であった。クラシックとは、ある文化が、そのもっとも完璧な様式を完成した時期に実現した特質のことである。そして著者は、レオナルドの「美」の観念、特に「両性具有的な美」を導入したという点を特出すべき点として挙げる。「ここには、姿、外見のみでなく、感情が表現されたのです。非常に敏感な人たちは、ここから新しい時代を表現する新しい様式を予見しました。解剖学を知り、遠近法を知り、なおかつあらゆる光と影の明暗というリアリズムを全部マスターしたとき、レオナルドは、リアリズムの上に美と精神表現をつけくわえたのです。そこでひとつの、時代精神の飛躍が行われたのです。」(88ページより引用)
 レオナルドの『最後の晩餐』は、ルネサンス古典主義様式がもっとも完璧に表現された作品であり、その意味でも、レオナルドは、「真実らしさ」というものに非常に誠実であったばかりでなく、主題のもつ思想的な、また精神的な真実、つまり、「ことがらの本質」を描き出そうとした画家であったと言える。また、『岩窟の聖母』では、モノクロームカメラのように、白と黒だけで、肌触りだとか雰囲気だとか空間だとかを表現するキアロスクーロ手法という新しい理論と実践を提示した。絵は、芸術家の芸術に対する理論の実践の場であり、思想の表現の場であった。
 レオナルドの世界観と照らし合わせることで、著者は、『モナリザ』を、生と死をはらむ大地と女性のアレゴリーとして「大地と人類の運命を告げている」と解読する。

6.第三日の講義
 ルターが、宗教改革を起こしてカソリック教会を拒否したことにより、結果的にゲルマン社会はルネサンスを締め出してしまうが、このことが、以後のドイツ文化に与えた影響は計り知れない。『メランコリア㈵』の作者のデューラーは、ルターと同国・同時代の人物であり、しかも彼はルターの共鳴者であった。
 この『メランコリア㈵』では、メランコリー=憂鬱質を象徴していると思われる人物が描かれている。
 ここで、人間の個性を作り出している気質は、四つの元素の支配によるものでないかとの考えが説明される。星の影響によって、運命や気質、行動が左右されるという思想は、神の意思が人間の運動をつかさどるというキリスト教の信仰とは矛盾するため、公には禁止されていたが、その思想にもとづく占星術は民間信仰として根強いものがあった。
 このような四気質論(四性論)は、肉体と精神の医学であり、ひとりひとりの個性や世代による「差異」を説明する人間学であり、さらにこれに立脚した魔術は、不自由な運命に抗して積極的に戦い、よりよく生きるための知恵であったと言える。しかし、このような哲学を基本にした絵画とそのほかの芸術も、正統的な研究に値しないものとして放置されており、『メランコリア㈵』の解釈が定まらないのは、同様の理由によるものであった。
 『メランコリア㈵』の人物ポーズは、人体の各部を閉じ、全部を内側に向けるという閉じられた姿勢である。これは、肯定的、否定的、正反対の解釈ができる両義的な姿勢であるといえる。憂鬱のポーズに翼を与えたことで、人間の思考における潜在的能力の可能性を示したものという見解が述べられる。

7.第四日の講義
 ジョルジョーネの『テンペスタ』は、研究されつくしたはずであるルネサンスの美術のなかで、いまも最大の謎として残されている。
 その解釈はおおまかに3つの解釈からなる。ひとつはキリスト教的解釈であり、ひとつはギリシア神話的解釈であり、ひとつはなんらかの思想の象徴との解釈である。著者の解釈は「まずは、画面にもどり、また画面から出発することが大事」との観点で、絵のなかで描かれた活力のある、内なる生命にみちた自然のうごきと女性に着目し、「母なる大地という女性像によって、宇宙の生産力を表現しているであろう」と述べる。
 ここには、物質〜元素の結合や離反によって宇宙の現象が生じているとするならば、人間がその元素を操作することができれば、創造主となれるという「錬金術」の思想に通じるものである。
 「なによりも重要なことは、キリスト教のなかで、創造するのはただ神だけで、人間は被造者といわれ、なにひとつ創造できず、自然を変えることなど考えられもしなかったのに、錬金術は、自然を神のように変革して、みずから創造の主になろうという考えを人びとにあたえたということです。」(235ページより引用)
 錬金術は、宇宙の秘密をあばいて、その知恵でなにかを生み出そうとする人類の野心的な実験であったとすれば、この絵の中で示されているものはその隠喩なのかもしれない。また、「これは、女性によって代表される自然の生産力と、男性によって代表される文明との対比の絵」ともいえる。
 神によって創られた動かない世界に対して、それ自身のうちにたえまなく変化し、創造し、崩壊する運動をもった世界が描かれていたのである。

8.おわりに
 少なくとも、ある時期までは、画家は思想を伝えるためのみ描いていており、その思想とは、宗教的、道徳的、哲学的なものであった。そのため絵は、写真とは違い、創造の意義を持った「重要な意味のメディア」でもあった。また、絵を見るという行為は、作者の見た目で世界を見るという行為であり、見る人間もそこに参加することになる。
 言葉にならないものをイメージによって伝えることでは、知性だけでなく、感性を含んでいるため、それゆえに、知識ばかりでなく、感動も与え、人格の全部を動かす。「その点で、あらゆる人間のコミュニケーションのなかで、もっとも複雑で、もっとも深く、もっとも総合的なものだといえるでしょう。そのうえ、たとえそこに描かれた思想や信仰が今は滅びてしまい、意味を失ってしまったとしても、絵は残ります。絵の生命は死ぬことなく、古びることもなく、それを人が見て美しいと思うかぎりつねに現在です。」(240ページより引用) 

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